モアイ像をめぐるドラマチックなストーリーは、長年エンターテインメント界の想像力をも掻き立ててきた。特に1990年代にハリウッドで製作された映画『ラパ・ヌイ』は、島内の部族抗争と鳥人コンテスト、そして巨石建造による資源の枯渇をハリウッド的アクションとともに描き出し、世界中に強烈なイメージを植え付けた。
だが、映画が描いた「絶望的な文明の自滅」というストーリーは、現代の考古学的知見とは大きく懸離れている。映画やフィクション作品が与えた劇的なイメージを楽しんだ上で、最新の科学調査が明かす「知恵と適応力に満ちた島民たちのリアルな素顔」に光を当て直すことが、現代のジャーナリズムに求められている役割と言えるだろう。