エルバフの戦士たちが口を揃えて彼を「国の恥」と呼ぶ最大の理由は、先代国王ハラルドの殺害という大罪にある。巨人の国において「誇り」は命よりも重い価値を持つ。その王座を血で汚し、王家に代々伝わる悪魔の実を強奪した行為は、エルバフの道徳観において到底許されざる不徳だ。
だが、物語を注意深く読み解くと、この「悪行」の裏には重層的な違和感が漂っている。ハラルド王の治世、彼が世界政府や他の列強国と結んでいた密約、そしてロキ自身が背負わされた「呪い」の真の起源――これらは単純な王位簒奪劇としては片付けられない。ロキが自ら悪名を被ることで守ろうとした「何か」が存在するのではないかという仮説は、ファンの間でも強いリアリティをもって語られている。