年収の「額面」ばかりを気にして、手取りの「実質額」を軽視するのは素人の陥りがちな罠だ。日本の税制は累進課税であり、年収が上がるにつれて税金と社会保険料の負担は加速度的に重くなる。年収600万円の人の手取りは約460万円程度。実に140万円近くが手元から消えていく計算だ。
だからこそ、「経済・マネー」のリテラシーを高め、賢く「守る」ノウハウが必要不可欠となる。まず第一に取り組むべきは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の満額活用だ。掛金が全額所得控除になるため、毎年の住民税や所得税を数万円単位でダイレクトに圧縮できる。さらに、ふるさと納税による控除の活用や、新NISAを組み合わせた非課税運用の徹底は、現代のサラリーマンにとって標準装備とも言える節税戦略だ。
年収を10万円上げる労力と、節税によって手取りを10万円残す労力。効率が良いのは明らかに後者である。額面年収の引き上げと同時に手取りの防衛策を張ることこそが、真の意味でのマネーストリートの勝者となる条件だ。