「昔からの常連さんと、20代の若いお客さんが隣同士で乾杯している光景。昔じゃちょっと考えられなかったよ」
都橋商店街で40年以上暖簾を守るカウンターバーの店主は、笑顔でグラスを拭きながらそう語る。戦後の闇市にルーツを持つとされるこのエリアは、約600軒以上もの個性的すぎる飲食店がひしめき合う、日本有数のディープゾーンだ。
SNSの拡散によってSNSネイティブなZ世代が「エモい体験」を求めて押し寄せた。だが、単なる一過性のブームでは終わらなかった。洗練された高層ショッピングモールにはない、店主や隣客との距離の近さ。人情味あふれるコミュニケーションこそが、デジタル疲れを起こした若い世代の心を捉えて離さないのだ。