この資料館が他の博物館と一線を画すのは、その展示手法の徹底ぶりだ。ガラスケースの中に整然と文化財を並べるのではなく、当時の「散らかった日常」をそのまま切り取ってきたかのような空間構成がなされている。
例えば、昭和30年代から40年代の一般家庭の居間を再現したコーナーでは、ちゃぶ台の上に置かれた食べかけの煎餅や、少し擦り切れた座布団、壁に貼られた当時のアイドルポスターまでが緻密に配置されている。まるで、さっきまでそこに住んでいた家族が、急に買い物にでも出かけてしまったかのような錯覚を覚える。この圧倒的なディテールが、来館者を一瞬にして半世紀前の日本へと引きずり込むのだ。