『ME!ME!ME!』の映像は約7分弱の短尺ながら、音楽の展開と見事にリンクした明確な3部構成(序・破・急)で構成されています。一見すると脈絡のないカオスに見えるアニメーションですが、時系列と心理描写を整理すると、極めて残酷で一貫した悲劇が浮かび上がります。
【第1幕:快楽の牢獄と甘美な誘惑】
薄暗い部屋のベッドで微睡む青年シュウ(Syû)。彼の周囲には無数の美少女フィギュアやモニター、ポスターが散乱しています。すると画面から、過激な衣装を身にまとった美少女キャラクターミミミ(ME!ME!ME!)が実体化し、蠱惑的なダンスでシュウを翻弄。シュウは抗うことなく、二次元の官能と刺激的な快楽に溺れ、自我を溶かしていきます。
【第2幕:モンスターへの変貌と絶望の抗戦】
しかし、甘美な時間は長く続きません。ミミミは突如としておどろおどろしい怪異へと変貌し、シュウの身体を侵食・捕食し始めます。快楽に殺されかける中で、シュウの脳裏にフラッシュバックするのは、かつて現実世界で心を通わせていた黒髪の元恋人ハナ(Hana)の面影でした。正気を取り戻したシュウは、パワードスーツを身に纏うヒーローの姿へと変身し、自分を食い荒らそうとするミミミの軍勢に立ち向かうべく、銃火器を乱射して血みどろの死闘を繰り広げます。
【第3幕:抗えぬ現実逃避と完全なる破滅】
激闘の末、巨大化したボス・ミミミの体内へと突入したシュウ。そこで彼を待っていたのは、求めてやまなかったハナの幻影でした。救済を信じてハナと口づけを交わした瞬間、そのハナはシュウのマスクを引き剥がし、頭部を食い破る悪夢のミミミへと戻ります。戦いに敗れ、全てを喰らい尽くされたシュウ。ラストカットでは、再び薄暗い現実の部屋で、生気を失いベッドの上に横たわるシュウの無残な姿が映し出され、物語は静かに幕を閉じます。