愛媛県松山市にある「伊丹十三記念館」。ここには、映画監督としてだけでなく、デザイナー、イラストレーター、エッセイストとしても超一流だった伊丹の足跡が大切に保管されている。記念館の館長を務める女優の宮本信子は、伊丹の公私にわたる最高の理解者であり、その作品のミューズでもあった。
宮本は、伊丹の遺志を継ぐ現代のクリエイターたちに対して温かい眼差しを注ぎ続けている。星野源が伊丹十三賞を受賞した際も、その多才な活躍と真摯なものづくりの姿勢を高く評価した。記念館に並ぶ手帖のメモやスケッチからは、日常のあらゆる事象を面白がり、徹底的に突き詰める伊丹の熱量が伝わってくる。その精神は、いまや時空を超えて新たな世代のクリエイターたちを鼓舞し続けているのだ。