黄色い1000形と並んで強い存在感を放っているのが、鮮やかな真っ赤なボディに銀色のサインウェーブをまとった「営団300形電車」だ。昭和20年代後半、戦後復興のシンボルとして登場した丸ノ内線の初代車両である。アメリカの最新デザインを取り入れた両開きのドアや流線型の室内灯は、当時の人々に「未来の乗り物」という鮮烈な印象を与えた。
車内に残る独特のアールデコ様式や、赤い塗装に込められた意匠へのこだわりを間近で観察すると、高度経済成長期に向けて疾走し始めた東京の熱気がダイレクトに伝わってくる。単なる展示物ではなく、昭和の都市文化そのものが凝縮された空間といえる。