メガヒット作品でありながら、なぜこれほどまでに続編の公開までに時間を要しているのでしょうか。その背景には、本作ならではの前代未聞の過酷な制作環境があります。
第一に挙げられるのが、役者陣の肉体改造と相撲アクションの習熟期間です。シーズン1の制作にあたり、主演の一ノ瀬ワタルをはじめとする力士役の俳優たちは、専門のトレーナーや元力士の指導のもと、約1年半に及ぶ本格的な相撲部屋合宿と肉体増量を敢行しました。体重を数十キロ単位で増量させ、本物の力士と見紛うばかりの肉体を作り上げ、土俵上での激しいぶつかり合いをスタントなしで演じ切ったのです。
江口カン監督と脚本の金沢知樹氏が追求するリアリズムは妥協を許しません。安易なCGや薄っぺらい殺陣でお茶を濁すことができない作品だからこそ、続編に着手するとなれば、再びキャスト陣に長期間のトレーニングとコンディション管理を強いることになります。俳優陣の身体的負担と安全確保を最優先にしたスケジュール調整こそが、制作期間が長期化している最大の要因です。