米英英語の違いはなぜ生じた?発音や単語の差と2026年最新基準

米英英語の違いはなぜ生じた?発音や単語の差と2026年最新基準

米英英語の違いはなぜ生じた?発音や単語の差と2026年最新基準の疑問点について、専門知識を基に徹底解説します。

「アメリカ英語はイギリス英語が崩れたものだ」という言説を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、言語史の学術的証拠に照らし合わせると、この認識は完全な誤謬であることが分かります。言語学者デイヴィッド・クリスタル氏らの研究資料や文献記録が示す通り、17世紀初頭にピルグリム・ファーザーズがメイフラワー号で北米大陸へ渡った時代、当時のイングランドで話されていた英語は、まさに「Rをしっかり発音する」ローティック(rhotic)な響きを持っていました。

劇作家シェイクスピアの時代のロンドン発音は、現代のイギリス標準音よりも、むしろ現在のアメリカ中西部アクセントに近い響きを備えていたのです。転換点となったのは、18世紀後半から19世紀にかけてのイギリスにおける産業革命期でした。ロンドンを中心とする新興富裕層や上流階級が、自らの社会的ステータスを際立たせる目的で「音節末のRを発音しない」「母音を長く平たく響かせる」独特の話法を採用し始めました。これが私塾(パブリックスクール)を通じて普及し、いわゆる容認発音(RP:Received Pronunciation)、通称クイーンズイングリッシュ(現キングスイングリッシュ)の母体となったのです。大西洋を隔てて孤立していたアメリカ大陸では、初期入植当時の古典的な響きがそのまま温存されました。

一方、単語の綴り字(スペル)に決定的な違いが生じたのは、アメリカ独立後のナショナリズムが直接的な動機でした。辞書編纂者ノア・ウェブスター(Noah Webster)が1828年に刊行した『米語辞典(An American Dictionary of the English Language)』において、「英国の王権やフランス語からの外来語(-our, -reなど)に縛られた無駄な文字を削ぎ落とし、発音に即した合理的な綴りに改革する」という方針を断行したのです。color(英:colour)、center(英:centre)、organize(英:organise)といった表記の差異は、国家の独立を誇示するための戦略的な言語政策の賜物でした。

山本 拓海
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山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。