一歩足を踏み入れた瞬間、視界を埋め尽くす色彩と緻密なパターンに息をのむ。館内に並ぶのは、古代メソポタミアからイスラム圏、ヨーロッパ、そして近代の日本に至るまで、世界各地で時代を彩ってきた数千点におよぶ装飾タイルだ。
特に圧巻の迫力を放つのが、空間全体に再現されたイスラム寺院のタイルドーム。天井から降り注ぐ光の角度によって青や金の表情を変えるモザイクは、宗教的祈りと職人の執念が交差した美の結晶。デジタル全盛の時代だからこそ、手作業の不均一さや釉薬の奥深さから新たな着想を得ようと、世界の建築家やインテリアデザイナーが静かに耳を澄ませている。