ユネスコが「極めて深刻な危機(Critically Endangered)」に分類するアイヌ語。母語として日常的に話す人々が極めてわずかとなった現在、ウポポイは言語復興の最前線基地としての役割を担っている。園内の案内表示やアナウンスには一貫してアイヌ語が使用されており、足を踏み入れた瞬間から独特の音の響きに包まれる。
近年特に力を入れているのが、若い世代に向けたデジタルコンテンツの活用だ。スマートフォンアプリを通じた会話レッスンや、アイヌ語の民話(ウウェペケレ)をアニメーション化したデジタルアーカイブが若い訪問者の心を掴んでいる。園内の「伝統芸能上演ホール(イコロ)」で歌い継がれる古式舞踊の歌詞も、若手伝承者たちが現代の音楽感覚を取り入れながら再解釈を試みている。「言葉は使わなければ死んでしまう。教科書の中に閉じ込めるのではなく、若い人がカッコいいと思える形で日常に連れ戻したい」。20代の若手スタッフの言葉には、文化を次世代へと引き継ぐ強い誇りが宿っていた。