幼少期の平尾昂大氏にとって、父・誠二氏はあまりにも巨大な存在だった。神戸製鋼を日本選手権7連覇へと導き、日本代表監督としても世界と渡り合った英傑。家を一歩出れば、誰もが尊敬の目を向けるスーパースターだ。
だが、家庭内での平尾誠二氏は、決して子どもに自分の価値観やラグビーを強要する父親ではなかった。グラウンドで見せる鋭い眼光とは裏腹に、家庭では柔らかな笑顔を絶やさず、息子の自由な発想を常に尊重していたという。「自分の人生は自分で決めろ」。言葉数は多くなくとも、その背中は常に自律の大切さを語っていた。