新幹線口から徒歩5分圏内。巨大な商業ビルやホテルの影に隠れた細い路地に、創業から半世紀を超える小料理屋や鰻割烹が静かに佇んでいる。観光ガイドの表紙を飾る派手な大型店ではなく、カウンター数席と小上がりだけの小さな店こそが、地元の人々が日常的に通う聖域だ。
狙い目は、平日限定のランチタイムや「うな丼(並)」の存在である。多くの店が提供する並丼や半身のランチ重は、2,000円台前半から3,000円前後という破格の設定でありながら、使われている鰻の質や職人の焼きの技術に一切の妥協がない。炭火でじっくりと余分な脂を落とし、秘伝のタレを三度くぐらせた鰻は、ふっくらとした肉厚感と心地よい皮目のクリスピーさを併せ持つ。肝吸いや自家製のお新香が付いてこの価格帯に収まるのは、産地直結の流通網を持つ浜松ならではの恩恵にほかならない。