今、都内の人気パティスリーを取材すると、明確なトレンドの変化が見えてくる。かつては豪華な多段ケーキや過剰な装飾が好まれた時期もあった。しかし現在は、洗練された配色と、ひとつひとつのディテールにこだわり抜いた「引き算の美学」が主流だ。
取材に応じたあるオーナーシェフは語る。「見た目の華やかさは当然のこと。それ以上に、切ったときの断面の美しさや、口に入れた瞬間の風味の広がりまで計算し尽くして仕立てています」。最新の限定デザインでは、季節の国産フルーツとオーガニックエディブルフラワーを組み合わせた、ナチュラルでありながら気品あふれるスタイルに予約が集中している。失敗したくない特別な日だからこそ、こうした細部へのこだわりが支持を集めているのだ。