熱帯・亜熱帯の海岸林を生息域とするオカヤドカリにとって、日本の四季、とりわけ「乾燥」と「寒さ」は命に関わる過酷な環境です。長生きさせるための基本方針は、飼育温度20℃〜28℃、湿度70%〜80%を年間を通じて保つことに尽きます。
気温が15℃を下回ると活動が著しく低下し、仮死状態(ショック状態)に陥り、そのまま死に至るケースが多発します。寒冷地や冬季の室内では、水槽の底面または側面(砂の深さに合わせて側面貼りが安全)にパネルヒーターを設置し、水槽全体を断熱アルミシートや発泡スチロールで覆う防寒対策が効果的です。
また、湿度の維持には、カルキを抜いたぬるま湯での定期的な霧吹きと、底砂の湿度管理が欠かせません。砂の表面はやや乾いていても、底面近くの砂を「ギュッと握って崩れない程度」のしっとりした状態に保つことで、ヤドカリ自らが快適な湿度層を選んで潜ることができます。ただし、水が底にタプタプに溜まるほどの過湿状態は砂の腐敗や嫌気性バクテリアの異常繁殖を招くため、適度な通気性の確保も忘れてはなりません。