フィギュアスケート世界女王としてその名を世界に轟かせる坂本花織。彼女が氷の上に立ったきっかけは、実は極めて身近なテレビ番組だった。2003年に放送されたNHK連続テレビ小説『てるてる家族』。劇中でスケートに情熱を注ぐヒロインの姿に目を奪われた4歳の少女は、「私もやってみたい!」と目を輝かせたという。これが、世界を制する大スケーター誕生の第一歩だった。
幼少期の練習拠点となったのは、地元市民に長年親しまれている「神戸ポートアイランドスポーツセンター」だ。3人姉妹の末っ子として愛され、持ち前の負けず嫌いな性格を遺憾なく発揮。転んでもすぐ立ち上がり、ニコニコと笑顔を振りまきながらリンクを駆け回る姿は、当時から周囲の目を引いていた。幼少期の秘話として有名なのが、水泳や体操など他のスポーツにも精力的に取り組んでいた点だ。全身の柔軟性と高い体幹能力は、この多種目での経験によって培われた。神戸の街が育んだ健やかな身体と伸びやかな感性こそ、現在のパワフルな滑りの強固な土台となっている。