欧州サッカーの戦術進化は、とどまることを知らない。今シーズン、UEFAチャンピオンズリーグの覇権を争うクラブ群が見せているのは、従来の固定観念を完全に破壊する「超可変型フォーメーション」だ。かつてのようにポジションに縛られる選手は一人もいない。サイドバックがビルドアップ時に中央の司令塔として振る舞い、センターフォワードが自陣深くまで降りてビルドアップの出口となる。
特にプレミアリーグのトップクラブが導入しているハイプレッシングの進化系は目を見張るものがある。単にボール保持者に寄せるのではなく、相手のパスコースの選択肢そのものを脳内から消し去るような空間支配。高度な戦術分析が進化させたこのモデルは、ピッチ上の全11人に知的かつ過酷な走力を要求する。局面ごとの優位性をいかに瞬時に作り出すか。戦術のトレンドは「個の閃き」をシステムの中にどう組み込むかという新たな次元へと突入している。