日本の歴史ファンを長年にわたって魅了し続けているメガプロジェクトといえば、佐賀県で今なお続く吉野ヶ里遺跡発掘調査プロジェクトが代表格だろう。古代の謎とされる邪馬台国の女王・卑弥呼の時代を思わせる大型の環濠集落や未盗掘の石棺墓が発見されるたび、現地報道は大きな熱狂に包まれてきた。
また、エジプト考古学の第一人者である吉村作治氏のように、人生のすべてを捧げて未知なる遺構へ情熱を注ぎ続ける研究者の姿は、多くの人々に歴史へのロマンを植え付けてきた。実は、こうした歴史的な大調査の現場であっても、土を掘り起こし運搬する現場の末端を支えているのは、一般募集で集まったアルバイトスタッフたちだ。歴史の新たな1ページをめくる作業に直接手を貸しているという実感が、泥にまみれる労働の原動力となっている。