本作の原案となったのは、古川智映子による歴史小説『小説 土佐堀川』だ。実在の偉人・広岡浅子は、炭鉱事業から銀行設立、日本初の女子大学創設までを成し遂げた不屈の女性起業家である。しかし、この壮大な生涯をそのまま15分枠の朝のドラマに落とし込むだけでは、幅広い層の心を掴み続けることは難しい。
大森は原作の骨太な骨格をリスペクトしつつ、主人公・あさの内に潜む愛らしさや葛藤、そして夫・新次郎との洒脱で対等な夫婦関係を立体的に立ち上げた。ただ強いだけの完璧な英雄ではなく、転んでは立ち上がる等身大のヒロイン像を打ち立てたことが、多くの共感と感動を呼んだ。