育児情報誌『たまひよ』が行ったアンケート調査や読者の体験談を見ても、大半の母親が産後の一時期にパートナーへの激しいイライラや拒絶感を経験していることがわかる。メジャーな育児メディアがこのテーマを正面から取り上げるようになったことで、「母親失格」というレッテルを恐れる必要はないという認知が定着しつつある。
産婦人科医として精力的な情報発信を続ける宋美玄医師も、こうした感情の変化に悩む母親たちへ強く警鐘を鳴らす。宋美玄医師は、ホルモンバランスの乱れと極度の睡眠不足が重なれば、人間としての感情コントロールが効かなくなるのは当然の生理現象であると説明する。自分を責めること自体がさらなるストレスとなり、悪循環を招くからだ。
克服に向けた具体的なステップとして、以下の3点が挙げられる。
第一に、「感情の言語化と開示」だ。「今はホルモンの影響でどうしてもイライラしてしまう」と、怒りの感情を素直にパートナーに伝えておく。第二に、「育児動作のルール化」である。夫に赤ちゃんを触れてほしくないと感じる場合は、「手を洗って着替えてから抱っこする」という明確な手順を作り、視覚的な安心感を得る。第三に、「徹底的な休養」だ。睡眠不足は防衛本能を過剰に刺激するため、周囲を頼って数時間でもまとまった睡眠を確保することが、最良の処方箋となる。