映画が扱う主題の根底には、現実の医療および社会政策における熱い議論が存在する。厚生労働省が定期的に発表する乳幼児栄養調査のデータによれば、母乳育児を巡る保護者のプレッシャーや迷いは年々複雑化しているという。本作はこうした行政のリアルな現状を浮き彫りにする。
一方で、近年の脳科学や認知発達研究の分野では、母乳に含まれる成分や親子のスキンシップが乳幼児の発達に与えるメカニズムについて、新たな発見が相次いでいる。作中では専門家への密着取材や最新の科学的データを下敷きにしつつ、「何が本当に子どもにとって最善なのか」という問いを過酷なほど客観的に突きつけてくる。