日本のトップが目まぐるしく変わる「回転ドア人事」と揶揄された時期を経て、8年8ヶ月に及ぶ第二次政権を維持したのが安倍晋三である。なぜこれほどの長期政権が可能だったのか。その背景には、官邸主導の強化と自由民主党内の強力な掌握術が存在した。
政治・行政のパワーバランスを劇的に変えたのが、内閣官房の権限強化だ。人事権を一元管理する内閣人事局の設置により、官僚機構に対する官邸のイニシアチブは絶対的なものとなった。この手法は、積極的な地球儀俯瞰外交やアベノミクスといった大型政策を速やかに推進するエンジンとなった反面、行政の忖度問題という副作用も生んだ。現代日本史において、安倍政権が築いた「強い官邸」のモデルは、その後のすべての政権運営の基準点となっている。