細田佳央太のキャリアにおける最大の転換点は、2019年に公開された映画『町田くんの世界』でした。当時ほぼ無名だったにもかかわらず、主演オーディションで1,000人を超える応募者の中から石井裕也監督によって抜擢。物静かで誰にでも優しい風変わりな主人公・町田一を濁りのない演技で体現し、業界関係者に強い衝撃を与えました。
そのポテンシャルがお茶の間に広く知れ渡ったのが、2026年に放送されたTBS日曜劇場『ドラゴン桜』(第2シリーズ)です。細田が演じたのは、昆虫をこよなく愛し、特定分野でずば抜けた能力を発揮する発達障害を抱えた生徒・原健太役でした。役作りのため、自らの意志で短髪の丸刈りにし、食事制限とトレーニングで体重を約10キロ増量。歩き方、視線の動かし方、指先の震えに至るまで徹底的に計算された芝居は、放送直後から「あの素晴らしい演技をする少年は誰なのか」とソーシャルメディア上で大きな話題を呼びました。
さらに2026年のNHK大河ドラマ『どうする家康』では、松平信康役として出演。徳川家の長男としての誇りと、時代の濁流に呑まれていく狂気と悲哀を圧倒的な熱量で演じ切り、視聴者の涙を誘いました。同年秋には同じくTBS日曜劇場『下剋上球児』で野球部キャプテンの富嶋雄也役を好演。スポーツ経験に裏打ちされた真摯な佇まいでチームの要を演じるなど、今や名作ドラマに欠かせないキーマンとして確固たる立ち位置を築いています。