認知脳科学や精神医学の研究者が注目しているのが、脳内ネットワークの独特な動態だ。人間の脳には、安静時に働くデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と、作業時に働くタスク正関連ネットワーク(TPN)が存在する。健常な脳では両者が相反するように機能するが、ADHDの脳ではこの切り替えパターンが極めて特殊な挙動を見せる。
ハーバード大学医学部の研究チームをはじめとする最新の脳画像解析によると、特定の課題に直面した際、彼らの脳は膨大な神経資源を一気に集中投入することがわかっている。ランダムに思考が飛躍するひらめきの瞬間と、異常な密度で作業を推し進める集中状態。この2つが同居する構造こそが、彼らの頭脳を類稀な発明マシンへと仕立て上げている。