完璧な技術で数々の患者の命を救ってきた大門未知子。彼女自身の体に異変が生じたのは、『ドクターX』シーズン5の終盤でした。下された診断名は「後腹膜肉腫」。それも腫瘍が周囲の主要血管や多臓器に浸潤している、切除不能なステージIIIの状態でした。
後腹膜肉腫は、腹膜の後ろ側にある筋肉や脂肪、神経などの軟部組織から発生する悪性腫瘍です。自覚症状が出にくく、発見されたときにはすでに巨大化しているケースが少なくありません。劇中でも医師団から「余命3ヶ月」という非情な宣告が下され、神原名医紹介所の所長・神原晶さえも取り乱すほどの絶望的な病状でした。
医師として病態を誰よりも正確に把握していた未知子は、取り乱すことなく自分に残された時間と向き合います。他人の命を救い続けてきた彼女が、自らの死を目前にして下した決断が、その後のドラマを大きく動かしていきました。