まるか食品の歴史を語る上で避けて通れないのが、2014年12月に発生した異物混入事案に伴う約半年間の全工場生産停止と自主回収の危機です。店頭からペヤングが一斉に姿を消し、ブランド存亡の危機に直面した同社は、小手先の改善ではなく製造インフラの抜本的改革を決断しました。
伊勢崎の本社工場および赤城工場において、総額数十億円規模にのぼる設備投資を断行。生産ラインの密閉化、高性能カメラによる異物検知システムの導入、工場内のクリーンルーム化など、ペヤング工場の生産体制は国内最高水準の衛生環境へと生まれ変わりました。象徴的だったのは、長年親しまれてきたプラスチック製の容器とフタを廃止し、密閉性に優れたアルミ箔の圧着フタへと全面刷新した決断です。
2015年6月、徹底した情報公開と品質管理の強化を経て関東地区から販売が再開されると、スーパーやコンビニには長蛇の列ができ、瞬く間に完売する店舗が続出しました。公式発表資料や流通各社の販売データによると、再開初週の売上は休止前の水準を大幅に上回り、異例のスピードでV字回復を達成。ピンチをチャンスに変えた誠実な企業姿勢と、ファンの根強い愛着が結実したまるか食品の復活の経緯は、現在も日本の危機管理・ブランド再生の成功事例として高く評価されています。