現代の天文学において、うさぎの姿の正体は完全に解明されています。月面に見える黒っぽい模様は、約30億〜40億年前に起きた巨大隕石の衝突跡に、内部から湧き出た玄武岩質の溶岩が広がり冷え固まった「月の海(Lunar Maria)」と呼ばれる平原です。
玄武岩は鉄分やマグネシウムを多く含むため光の反射率が低く、地球からは黒く沈んで見えます。具体的には以下のような地形の配置が、うさぎのシルエットを形成しています。
うさぎの「頭」に見える部分は「静かの海」、長く伸びた「耳」は「豊かの海」と「神酒の海」、そして「胴体」や「丸まった背中」は「雨の海」や「嵐の大洋」に該当します。
人間が不規則な模様や陰影の中に知っている物(顔や動物)を見出してしまう心理作用を「パレイドリア現象」と呼びますが、月の海と高地の絶妙なコントラストが、まさにうさぎが前屈みになって杵を振り下ろしているかのような幾何学的配置を偶然作り出しているのです。