誰もが一度は抱く疑問が、「なぜ戦国武将の本名をそのまま筆名にしたのか」という点です。歴史小説家ならいざ知らず、最先端のサイバーパンクや思弁的SFを手がける作家がこの名を冠しているギャップは強烈です。
その発端は、大学在学中のサークル活動や友人関係にありました。歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』などを仲間と遊ぶ中で、柴田勝家を担当していたことやネット上でのやり取りを通じて、周囲から「勝家」という愛称で呼ばれるようになった経緯があります。
第2回ハヤカワSFコンテストへ応募する際、手元にあったハンドルネーム感覚で「柴田勝家」と記入して原稿を投稿。見事に大賞を受賞した際、編集部から「本名や別のペンネームに変えますか?」と打診されたものの、「このままで問題ありません」と即答したことで、文壇史上類を見ないインパクト抜群の作家名が正式に誕生しました。