サラブレッドが走る一般的な平地競馬を見慣れた人が初めてばんえい競馬を目にすると、その圧倒的なスケール感に息を呑みます。出走する「ばん馬(重種馬)」は、フランス原産のペルシュロン種やブルトン種、ベルジャン種などを交配した品種で、体重はサラブレッドの約2倍に達する800kgから1,200kg超にも及びます。
この力強いばん馬 歴史と現在を紐解くと、明治期の北海道開拓時代に原生林を切り拓き、重い荷馬車を曳いて人々の暮らしを支えた歴史に直結しています。農民たちが互いの愛馬の力自慢を競い合った「お祭り競馬」がルーツであり、2000年代の存続危機を乗り越え、現在では北海道遺産として世界中から注目を集める唯一無二の文化遺産となりました。
競技の舞台となるのは、全長わずか直線200メートルのセパレートコースです。途中には高さの異なる2つの台形障害(第1障害:高さ約1m、第2障害:高さ約1.6m)が設置されており、最大1トンにも及ぶ重量の鉄ソリを曳きながら砂煙を上げて越えていきます。スピードだけでなく、馬の息づかい、筋肉の躍動、そして騎手との呼吸が試される極限のパワー勝負がここにあります。