なんばグランド花月の熱気は変わらない。劇場の楽屋口から姿を現す男の背中に、後輩たちが自然と頭を下げる。吉本興業が誇る喜劇の伝統を背負い、長年にわたり座長として劇団を牽引した内場勝則は、現在も舞台演劇の第一線で軽やかなステップを踏み続けている。
座長という重責を次世代へ引き継いだ後も、彼の存在感は増すばかりだ。かつてのように全編で回し役を担うだけでなく、物語の肝となる重要な役どころで登場し、一瞬にして客席の空気をさらっていく。鋭い観察眼に裏打ちされたアドリブ対応力は、年を重ねるごとに磨きがかかっている。
「舞台に上がれば、いつでも新人みたいな緊張感がありますよ」。舞台裏のインタビューでみせた照れくさそうな笑みには、半世紀近く舞台に立ち続けてきた職人としての誇りがにじむ。