かつての「ヒロインを引き立てるための脇役」という枠組みは、もはや崩壊した。視聴者が求めているのは、綺麗に整ったステレオタイプな演技ではない。人間のドロドロとした本音や、狂気、あるいは日常のリアルな哀愁を体現できる「生々しさ」だ。SNSでバズる動画の多くも、主役の涙のシーンではなく、脇役が見せる一瞬の不気味な微笑みや、狂気に満ちた叫び声だったりする。
この「怪演」ブームこそが、名脇役たちの需要をさらに押し上げている。監督や脚本家たちも、彼女たちのポテンシャルを最大限に引き出すためのトリッキーな役どころを競うように用意するようになった。結果として、主役以上に物語のキーパーソンとなる脇役が次々と誕生しているのだ。