1960年代から70年代にかけて映画館を熱狂の渦に巻き込んだ「若大将シリーズ」は、日本中の若者にとって理想の青春像であり、カルチャーの象徴だった。加山雄三演じる爽やかな主人公がスポーツや音楽に没頭し、困難を爽快に吹き飛ばす姿は、従来の暗いヒーロー像を覆す画期的な表現であった。
このブームを映画業界の競合として注視していたのが東映だ。映画の斜陽化に伴い、主戦場をテレビへと移しつつあった東映の企画チームは、若大将が持っていた「誰もが憧れる快男児」のエッセンスを特撮テレビドラマの枠組みへと移植することを試みる。暗闇から立ち上がる孤独な改造人間でありながら、子供たちに勇気と希望を与える光の存在。この劇的な対比構造こそが、後に爆発的な大ヒットを記録するヒーロー誕生の原動力となった。