小山田の類まれな音響的アプローチは、アニメーションや教育番組という異ジャンルの映像作品においても強烈なシナジーを発揮してきた。『攻殻機動隊 ARISE』での音楽監修は、近未来のサイバーパンクな世界観を見事に無機質かつ重厚な音響で構築し、国内外のアニメファンや音楽フリークを震撼させた。
一方で、Eテレのロングヒット番組『デザインあ』で見せたアプローチはまったく異なる。日常に潜む形や動きに音を添え、子どもから大人まで「デザインの視点」を感覚的に理解させる音の仕掛けは、彼のサウンドデザイン能力の真骨頂と言える。映像の余白にどのタイミングで音を打つか。そのコンマ数秒のこだわりが、作品全体の知性を底上げしているのだ。