遺族側が起こした損害賠償請求訴訟において、裁判所は過失の有無を極めて厳しく判じた。争点の中心となったのは、国家賠償法第2条における「公の営造物の設置又は管理の欠陥」の存在である。
被告となった佐賀県庁側は、「予測不可能な自然現象による倒木であり、不可抗力である」と主張し責任を争った。しかし司法が出した結論は明快だった。過去の気象データおよび周辺の倒木履歴に照らせば、落木の危険性は事前に十分予測可能であり、道路管理者としての注意義務を果たしていなかったと断じたのである。
判決は、単に危険な樹木を放置したことのみならず、倒木リスクを認識しながらも有効な事前対策を講じなかった道路管理行政の不作為を厳しく追及。結果として原告側の主張を大きく認める賠償命令が下された。この司法判断は、全国の街路樹や森林道路を管理する自治体に対し、景観保護よりも人命の安全確保を優先すべきであるという明確な法判例を提示することとなった。