日暮里を語る上で絶対に外せないのが、街の中に5つの館を構える象徴的ショップ「生地の店 トマト」だ。なかでも本館の1階にある「100円コーナー」は、宝探しに挑む人々で常に熱気に満ちている。
だが、安さだけがトマトの価値ではない。上階へ上がれば、国内外のハイブランドがコレクションで採用した余剰生地(デッドストック)が驚くべき破格で並んでいる。アパレル業界の過剰生産問題が叫ばれる中、こうした高品質な余剰布地を一般個人に還元する仕組みが、結果として最先端のエコシステムとして機能しているのだ。
トマト以外にも、麻専門店の「安田麻業」や、ニット生地に特化した専門フロアを持つ店舗など、一歩足を踏み入れるごとに専門性の異なる小宇宙が広がる。