アスリートとしてのストイックな肉体改造と、魅せる職業としての美意識。一見すると相反する二つの世界を、亀田姫月は見事に共存させている。現在の彼女のスケジュールは過酷そのものだ。早朝のロードワークとジムでの追い込みを終えた数時間後には、スタジオでカメラの前に立ち、繊細な表情をつくり出す。過酷な減量期であっても、肌のコンディションや立ち振る舞いにいっさい妥協を見せないプロ精神は、現場のスタッフからも絶大な信頼を寄せられている。
彼女にとって、パンチを繰り出す瞬間も、服を美しく見せる瞬間も、表現という意味では同じ線上にあるという。過酷なトレーニングで削ぎ落とされた肉体美は、むしろファッションモデルとしての洗練されたシルエットに力強い説得力を与えている。二足の草鞋を履くことへの批判を結果で黙らせてきた彼女の姿は、多様な生き方を模索する現代の女性たちにとっても大きな刺激となっている。