岩手県二戸市の金田一温泉に佇む歴史的温泉旅館「緑風荘」。この老舗宿を襲った緑風荘全焼火災事故は、木造建築特有の構造的脆弱性と、出火初期の条件が重なったことで被害が拡大した。出火原因について総務省消防庁や地元の消防本部による詳細な現地検証が行われ、建物の電気設備付近からのトラブルや配線の劣化が疑われたものの、全焼の激しさゆえに特定には極めて難航を極めた。
伝統的な木造トラス構造と長年乾燥し切った古材は、一度火がつくと瞬く間に火の回りを早める。防火壁の設置が困難な歴史的建造物ならではの課題が、惨事を防ぎきれなかった大きな要因となった。