インターネット上の質問掲示板やSNSで最も多く見られるのが、「一度打ち始めたら一生やめられないのではないか」「途中でやめると前より悪化するのではないか」という不安です。
結論から言えば、ヒアルロン酸注射を途中でやめたからといって、リバウンドのように症状が急激に悪化したり、関節の破壊が加速したりすることはありません。ヒアルロン酸はもともと生体内に存在する安全な成分であり、ステロイドのように組織を脆くするリスクや、麻薬性鎮痛薬のような薬物依存性は皆無です。
「やめると悪化した」と感じる人がいる理由は極めてシンプルです。注射によって痛みが抑えられていた状態から、薬効が切れたことで「本来の病変に応じた痛みのレベル」に戻ったことを、主観的に悪化と錯覚してしまうためです。また、痛みが引いていた間に無理をして過度に関節へ負担をかけていた場合、関節自体の摩耗が進んで痛みが再燃することもあります。
投与の頻度と間隔については、日本整形外科学会の標準的な診療ガイドラインに沿って、最初の導入期は「週に1回、合計5回」を1クールとして連続投与するのが一般的です。この段階で症状が十分に軽快した場合は、一旦注射を終了して経過観察や運動療法へと移行します。痛みが残る場合や再発を繰り返す慢性期には、医師の判断のもとで「2週に1回」または「月1回」程度の間隔で維持療法を継続するのが標準的な治療設計です。