隣国の日本と比較した際、最も際立つのが自然科学系ノーベル賞の受賞数格差です。日本は湯川秀樹博士(1949年物理学賞)から始まり、これまでに累計29名(外国籍取得者を含めると30名超)がノーベル賞を受賞しています。そのうち平和賞(佐藤栄作氏)と文学賞(川端康成氏、大江健三郎氏、カズオ・イシグロ氏)を除く25名以上が自然科学3分野に集中しています。
対する韓国は、半導体、二次電池、ディスプレー、造船、バイオ医薬品製造などで世界を席巻する産業技術力を誇りながら、自然科学分野のノーベル賞はいまだ0名です。この対比は、単なる研究力の優劣ではなく、両国の近代化の歩みと科学政策の優先順位の違いに起因しています。
日本は明治維新以降の150年以上にわたり、帝国大学を中心とした基礎科学の土台を築き上げ、知的好奇心に基づく「すぐには役に立たない研究」を長期的・重層的に蓄積してきました。自然科学系のノーベル賞は、論文発表から受賞までに平均20〜30年のタイムラグが存在します。日本が2000年代以降に受賞ラッシュを迎えたのは、1970〜1990年代の高度経済成長期に投じられた莫大な基礎研究の遺産が実を結んだ結果です。