静止画のポーズが決まったら、次は連続した動きの設計です。迫力ある棒人間の格闘モーションを生み出すためには、アニメーションの基本原則である「タメ(予備動作)」と「ツメ(コマの緩急)」の理解が欠かせません。
パンチを放つ際、いきなり腕を前に出すのではなく、一度身体を大きく後ろに引いて力を溜めるコマ(予備動作)を挟みます。そしてインパクトの瞬間は一気にコマを飛ばし、拳が命中した瞬間に同じ絵を2〜3フレーム静止させる「ヒットストップ」を導入します。このわずかな静止が、視聴者に「硬いものに激突した衝撃」を錯覚させ、線画に質量と破壊力を与えるのです。
また、ビル群を縦横無尽に駆け巡るような棒人間のパルクール躍動感を描く際には、「先行動作」が鍵を握ります。身体がジャンプする前に視線と頭部が先に行き先を向き、遅れて胴体、最後に足が追従する「フォロースルー」を意識することで、風や重力をリアルに感じさせる流麗な疾走感が完成します。