新さんが心を許し、江戸庶民の喜怒哀楽を肌で感じる拠点となったのが、町火消「め組」です。その初代組頭・辰五郎を演じたのが演歌界の巨頭・北島三郎でした。江戸っ子の粋と侠気、吉宗の正体を知りながらも一人の男として友情を結ぶ辰五郎の存在は、番組の人間ドラマに深い奥行きを与えました。
北島は多忙な歌手活動の合間を縫って長年レギュラー出演を続け、後見人やゲストとしても作品を鼓舞し続けました。2026年現在、北島は芸道生活の集大成を迎えながら、歌謡界の重鎮として後進の育成に注力しています。
め組の歴代組頭・頭領代行には、北島門下の山本譲二(栄五郎役)や、硬派な演技で人気を博した松村雄基(長次郎役)らが名を連ね、時代ごとの新しい風を吹き込みました。また、歴代のめ組のおかみ役として辰五郎を支えた春川ますみ、浅茅陽子、そして後期の生稲晃子(おまち役)らが見せた肝っ玉ぶりと温かな笑顔は、殺陣の緊迫感を和らげる名オアシスでした。
火消しの若い衆を演じた龍虎、園田裕久、阿波地大輔、真砂皓太らのコミカルな立ち居振る舞いや威勢の良い掛け声は、江戸の町民文化の活気をリアルに再現していました。