日本三美人の湯として名高い龍神温泉へと続く国道371号線沿い、そして日高川の支流には、観光地化されすぎていない素朴な吊り橋が点在する。
木製の踏み板が敷かれた小規模な吊り橋は、地元の人々がかつて対岸の畑や山林へ渡るために作られたものだ。定員が「一度に3人まで」といった看板が掲げられていることも珍しくなく、渡る際の手触り感のあるスリルは本物だ。
澄み切った清流のせせらぎを聞きながら、静けさの中で橋の真ん中に立つ。そこに佇んでいるだけで、日常の雑念がすっと消え去っていくような感覚を覚える。派手なアトラクションにはない、本物の自然と人の営みが交差する瞬間だ。