プロジェクト初期の興奮は、いまやスタジオ経営陣の頭を悩ませる悪夢へと姿を変えた。本企画は元来、世界最高峰の技術と日米のトップクリエイターを融合させ、新たなエンターテインメントの金字塔を打ち立てる構想としてスタートしている。しかし、完成の目処が立たないまま膨らみ続ける制作予算は、すでに初期見積もりの1.5倍を突破。スタジオ内部では「投資に対する回収の見込みが完全に破綻している」との悲鳴が上がっている。
失敗の根底にあるのは、莫大な資本を注ぎ込めば自動的にクオリティが高まるという過度な楽観論だった。現場ではCG・VFXの修正が果てしなく繰り返され、撮影スケジュールの延期に伴う追加人件費が加速度的に積み上がった。市場の需要を見誤った過剰なスケールアップは、作品の魅力を高めるどころか、プロジェクト全体を身動きの取れない巨体へと変貌させてしまったのである。