事故の瞬間、技を受ける側だったヤス・ウラノ。プロレスにおける事故は、どちらか一方の過失だけで片付けられるものではない。特にサンセットフリップのような技は、かける側のコントロールと受ける側の受け身の双方が噛み合わなければ成立しない。しかし、結果として目の前のレジェンドが動けなくなったという事実は、彼の心に深い傷を残した。
事故後、ウラノは沈黙を守らざるを得ない状況に置かれた。何を語っても言い訳に聞こえてしまう恐怖、そして何よりも高山の容態に対する罪悪感。プロレスラーとしての活動を続けること自体への迷いもあったはずだ。それでも彼はリングに立ち続けた。それが、プロレスラーとして生きる者が取るべき唯一の責任の取り方だと信じたからかもしれない。