古典文を現代語に訳す際、ラ行変格活用の処理は悩ましい問題だ。直訳すると不自然になり、意訳しすぎると原文のニュアンスが失われる。
文脈を最重視する
「あり」一つとっても、場面によって最適な訳は変わる。存在なら「ある」「いる」、状態なら「〜である」、断定なら「〜だ」。前後の文脈を読み込んで判断する必要がある。
会話文中の「はべり」は特に難しい。「ございます」と訳すと古めかしくなりすぎるし、省略すると敬意が伝わらない。「です」「ます」で代用するか、地の文で補足説明を加えるか。翻訳者の腕の見せ所だ。
敬語レベルの変換表
おおまかな対応関係を把握しておくと便利だ。「あり」は通常の丁寧語、「おり」は謙譲語、「はべり」は丁寧な謙譲語または美化語として機能する。ただしこれは目安に過ぎず、実際の文章では話者と聞き手の関係性を考慮する必要がある。