末澤誠也の話題がきっかけで六麓荘町に注目する人が増えているのは、ある意味で当然の流れだ。この街には、一度知ったら忘れられない引力がある。
兵庫県芦屋市は、洗練された街並みと落ち着いた住環境が魅力の、関西屈指の高級住宅街として知られている。特に芦屋の中でも象徴的な六麓荘町は、美しい景観と厳格な建築協定によって守られている街として、多くの方から憧れの住宅地として選ばれている。それは単なるブランドイメージではなく、100年近い歴史の中で丁寧に積み上げられてきた実績だ。
六麓荘町では、その景観と暮らしを町内会が守ってきた。独自基準の建築協定、新たな家が建つときに開催する近隣住民を集めた説明会、協定の一部の条例化など、「東洋一の別荘地」をつくるという建町の理想からつながる取り組みが続いている。自治の力でブランドを維持し続ける姿勢は、行政頼みの多くの街とは根本的に異なる。
アイドルのロケ地として注目を集めることで、若い世代がこの街の存在を知るきっかけになる。それ自体は悪くない。ただし、六麓荘町はあくまでも「実際に暮らす人々の街」だという事実も忘れてはならない。プライバシーへの配慮は、見学や取材の際には特に求められる。