衣類着脱介助で最初に意識したいのは、利用者を「着替えさせる相手」と見ないことです。介助者が主導しすぎると、本人の残存能力を奪い、依存を強めるおそれがあります。介護の基本は、自立支援です。できる部分は本人に行ってもらい、難しい部分だけを補う。その線引きを見極めることが大切です。
たとえば、袖に腕を通す動作は難しくても、服の前を整えることはできる人がいます。ズボンを足元まで下ろすのは危険でも、腰の部分を自分で引き上げられる人もいます。全介助か一部介助かを決めつけず、その日の体調や疲労、痛み、気分を見ながら支援します。
介助前には必ず声をかけます。「これから着替えをお手伝いします」「寒くないようにタオルをかけますね」「右腕から袖を通していきます」など、これから行うことを短く伝えるだけで、利用者の不安はかなり減ります。突然体に触れたり、無言で衣服を脱がせたりする行為は、信頼関係を損ねます。