ここで押さえておきたいのが、WBCの独自の出場資格ルールだ。普通のオリンピックや国際大会とは、仕組みが大きく異なる。WBCには独自の出場資格規定があり、具体的には「父母のいずれかがその国の国籍を持つ」、または「その国で生まれた」場合に代表資格が認められる。つまり、本人が日本国籍を持っていなくても、親のどちらかが日本国籍であれば、日本代表として出場できるのだ。
ヌートバー選手が米国籍なのに日本代表に選ばれた理由としては、ヌートバー選手の母親が日本国籍であることで日本代表としての出場資格があるからだ。彼はロサンゼルスで生まれ育ったが、母親の久美子さんが埼玉県東松山市出身であるため、日本代表としての出場資格を満たしている。ルール上、これだけで十分だ。
ヌートバーは日本人の母を持つが、カリフォルニアで育ち、日本語を話せない。彼はWBCにおいて、血統(祖先のルーツ)を根拠に日本代表として出場資格を得た最初の選手となった。それまで侍ジャパンは、一度も日本国外生まれの選手を代表に選んだことがなかったのだから、これは歴史的な決断だった。