小林旭の家庭生活を語るうえで欠かせないのが、1967年に結婚した元女優の青山京子氏である。東宝の清純派スターとして人気を博しながらも、結婚を機に潔く引退。以後は一業に専念し、破天荒な夫の事業トラブルや多額の負債をも共に背負い続けた強靭な女性であった。
真由美氏をはじめとする子供たちにとって、家庭での小林旭はスクリーン上の強面なヒーローとは異なる、情に厚い父親であったという。外では豪快な逸話を数多く残すマイトガイも、我が子の前では子煩悩な素顔を見せていた。
2026年に最愛の妻・青山京子氏が他界した際、小林旭が見せた深い喪失感は記憶に新しい。母の亡き後、その精神を受け継ぎ、悲しみを乗り越える父を足元で支え続けているのが娘の存在である。家庭という日常の盾があったからこそ、彼は表現者として輝き続けることができたのだ。